
顔のない月 -待宵の双椿-
主人公の羽山浩一は、本家である倉木家からの呼び出しを受けて椿館へ向かうことになる。彼は女性の顔が認識できない奇病を持つ上、連日の悪夢に悩まされており、その日も幻覚に襲われて担ぎ込まれるように到着した。しかし倉木家で悪夢から目覚めた彼は、突然女性の顔をはっきりと見えるようになる。相手は倉木鈴菜。この家の一人娘であり、『月待ちの巫女』だった。やがて浩一は倉木家の当主になり、一ヶ月後の『月待ちの儀』までこの館に滞在するように言いつけられるが――。不可解な村で行われる秘祭、その果てに花咲くものとは――。